岸田内閣の支持率が急落している。一部メディアでは20%台の危険水域に突入した。その主たる要因は、防衛費増額のうちの1兆円分の財源を岸田文雄・首相が「増税」によって賄うと打ち出した点にあるだろう。国民が物価高に苦しむなかで負担増につながる施策が相次ぎ、“話が違う”という声があがっている。 2021年秋の自民党総裁選に立候補した岸田氏はもともと、「所得倍増」を掲げていた。「中間層の拡大に向けて分配機能を強化し、所得を広げる。令和版の所得倍増を目指す」とぶち上げ、自身が領袖を務める派閥「宏池会」を立ち上げた池田勇人首相の所得倍増計画に重ねるようにしてアピールしたのは岸田氏自身であった。 しかし、昨年末の与党税制改正大綱では防衛費増額の財源を確保するために、所得税やたばこ税、法人税の増税の方針が打ち出された。自民党内からの反発があって増税の時期こそ明記されなかったものの、なし崩し的に増税の方針が既
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