福島から母子避難した人たちが日本社会の中で見捨てられている――。映画監督の鎌仲ひとみさん(「核の神話:19」で紹介)がそう指摘した。実際、国や福島県は避難者の帰還を促し、避難指示区域外から避難した「自主避難者」に対する避難先での住宅無償提供を来年3月で打ち切る方針を決めた。東京電力福島第一原発事故による放射能から子どもを守ろうと、県外に母子避難している鹿目(かのめ)久美さんら「避難ママ」たちの切実な声を聞くとともに、現地調査・研究をしている大阪市立大の除本理史(よけもとまさふみ)教授(環境政策論)に現状分析をしてもらった。横浜弁護士会が3月10日に市内で開催した集会を再現する。 ◇ 鹿目久美さん(福島県大玉村から神奈川県に避難) 2011年3月11日の原発事故のあと、福島県大玉村の自宅から、主人と当時4歳だった娘を連れて神奈川県相模原市の私の実家に避難しました。娘が幼稚園に入園する年でした