安倍政権が看板政策のアベノミクスを推し進めた2013~15年の3年間に、個人消費を支える中間層が減少し、高所得層と低所得層への二極化が進んだことが、一橋大経済研究所の小塩隆士教授の試算で4日分かった。家計の貯蓄残高は4千万円以上の層と100万円未満の層がいずれも増加し、資産でも格差が広がった。金融緩和による株高の恩恵が富裕層に偏っていることに加え、賃上げが幅広い層に及んでいないためだ。 世帯数が多い中間層の厳しさは、消費低迷が長引く一因とされる。参院選の経済論議では、アベノミクスへの評価とともに、景気を左右する中間層への支援策も課題になりそうだ。