1年間の出生数が100万人を割り、少子化への急坂を転げ落ちている日本。一方で生後間もない0歳児が死亡する児童虐待や、育児放棄が相次ぐという矛盾を抱えています。 予期しない妊娠で生まれてくる子どもたちを保護するため、「特別養子縁組」という制度が約30年前につくられました。生みの親から育ての親へとリレーされる小さな命。その決断の背景には、様々な葛藤や苦悩がありました。その当事者たちが描く、親子それぞれの“幸せ”とは…? 病院のベッドに横たわる、お腹の大きな少女。中学2年生の綾香さん、14歳です(仮名・年齢は取材当時)。綾香さんのお腹の中には、出産間近の新しい命が宿っていました。 若くして母となった綾香さん。お腹の赤ちゃんの父親も、同じ中学生でした。綾香さんのお腹にエコーを当てると、赤ちゃんの元気な心臓の音が聞こえてきます。 妊娠が発覚した時の気持ちについて、綾香さんは戸惑いを語りました。 「嫌