第3回は、欧州のキャッシュレス決済市場の特徴をご紹介した。今回は、アジアや米国の市場を見ていこう。 QRコード決済というアジア独自の決済手段の発達 アジア各国では、キャッシュレス決済の形態が国によって異なり、多様な進展を見せており、日本のキャッシュレス事情に影響を与えている。 図1では、各国の対面決済のうち、どの決済手段の利用が多いかを表しており、大きく4つのグループに区別ができる。 まずAグループは、カード決済がよく利用され、クレジットカードが中心である。日本はAに属するが、他の韓国・香港・台湾は日本よりもキャッシュレス比率が高いとされている。特に韓国では、1990年代のアジア通貨危機以降、政府がクレジットカードの利用促進を実施。税控除や公共料金へのインセンティブを導入し、国民にキャッシュレス決済の利用を促し続けた結果、アジアでも有数のキャッシュレス大国となった。 Bグループは、A同様に
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