「江戸時代の絵画や読み物を研究しています」 そう自己紹介すると、よく「古典苦手だったんだよね」という反応がかえってくる。時には関心を示してくれる人や、「古い物事を学ぶのは大切ですね」といってくださる人もいるが、多くの人は、古典の研究と、現代社会とは縁のないことのように感じているようだ。 しかし、文学研究や古典の世界は、本当に現代社会とかけ離れたものなのだろうか。 古典は、21世紀を生きる私たちの生活や感性と繋がっている。現代、そして未来を考えることや、新たな芸術を創造することに結びつく、「生きている文化」なのだ。 それを、多くの人に実感してもらいたい。そして、さまざまな分野で活躍している人たちと一緒に、古典を通して現代に向き合いたい。そのために私は、「国文学研究資料館(通称・国文研)」(ロバート キャンベル館長)で「古典インタプリタ」として働いている。インタプリタとは「翻訳者」のことで、古
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