クルーグマンがノーベル経済学賞を受賞しました。僕は彼の大ファンです。受賞そのものは当然と受け止められていますが、単独受賞したことは一部を驚かせているようです。(こことかここのMankiw)クルーグマンの業績をすこし振り返って見ました。 国際貿易クルーグマンは、国際貿易の分野を塗り替えました。60年代までの国際貿易論では、単純な完全競争のモデルが当たり前でした。そこにもっと豊かなモデルを導入したのがクルーグマンと同僚のヘルプマンです。たとえば、不完全競争がある場合は、それぞれの政府は自国のために関税をかけようとするため、囚人のジレンマ的な状況が発生します。お互い関税をかけないほうが、お互い関税をかけあうことよりもハッピーなんだけど、関税をかけるのが支配戦略になるため、ナッシュ均衡では関税をかけあいます。この状況を打破するためにつくられたのがGATTやWTOです。GATTやWTOは、関税やその