少々気が早いが、残念ながら、今年は日本からノーベル賞受賞者が出なかった。新聞もテレビも熱心に報道しないのであまり話題にもならない。 ノーベル賞が出ないのには理由がある もちろん、ノーベル賞受賞者が出ないことが日本の科学技術力の低下を示していると言い切ることはできないし、逆に、ノーベル賞を取ればすべて良しというわけでもない。 ノーベル賞はあくまで結果であり、受賞者が出るか出ないかに一喜一憂しても意味がない。しかし、技術開発の最前線に立つ者として、世界の産業をリードするような画期的な新技術が日本から続々と生み出されているなどとは、とても言えないのである。 筆者の専門とする「電気」の技術範囲に限ってみると、世界に先駆けるような大発明はほとんどが欧米からのもので、歴史的に見ても日本発は数えるほどしかない。 数年前、600ページにもおよぶ大部の電気技術史本がフランスで出版された。古いところでは、マッ
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