●シングルコア性能を伸ばすための命令セット改革 Intelは、マルチコア性能だけでなく、シングルCPUコアのパフォーマンスを今後も伸ばす。ただし、従来とは違う方法で。CPUの整数演算と浮動小数点演算の性能のバランスを取って、新しく最適化されたソフトウェアだけでなく、既存のソフトウェアの性能を上げるのが、2002年までのアプローチ。それに対して、2010年以降の方向は、SIMD(Single Instruction, Multiple Data)型の浮動小数点演算の性能にフォーカスし、命令セットを大きく拡張する。また、2005年以降から進展してきたマルチコア化も継続する。 そのため、ソフトウェアはマルチスレッド化だけでなく、新命令セットにも積極的に対応して行かないと、CPUのフルパフォーマンスが発揮できなくなる。つまり、よりソフトウェアやコンパイラへとしわ寄せが行くようになる。逆を言えば、I
●最初の世代のLarrabeeをゲーム機に載せるのは困難 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、次世代のゲームコンソール(据え置きゲーム機)PLAYSTATION 4(PS4)のCPU&GPU選定を進めている。選定の中で、SCEはPS3に使っているCell Broadband Engine(Cell B.E.)を拡張する方向だけでなく、他のCPUを使うことも検討している。そして、その中には、Intelのスループットプロセッサ「Larrabee(ララビ)」をCPU&GPUとして使う案もあった。 Larrabeeは、最初の世代で最大16コアと推定される多数のCPUコアを集積したメニイコアCPUだ。16wideとSSEの4倍のベクタ演算ユニットを備え、GPUと同じように3Dグラフィックス処理を行なうことができる。CPUコア自体はx86互換であり、通常のCPUとして扱うことが可能だ。
NVIDIAは3月3日、ドイツで開催されるCebit 2009の開幕に合わせて、パフォーマンスセグメント向けのGPU「GeForce GTS 250」を発表した。本製品は2008年6月に発売されたGeForce 9800 GTX+のリニューアルモデルとなる。この製品の特色をチェックしてみたい。 ●9800GTX+から設計を見直したモデル 今回発表されたGeForce GTS 250は、GeForce 9800 GTX+のリニューアル版だ。製品名がGeForce GTX 280/260で使われたものと同じスキームに変更されているが、これはアルファベット三文字で製品セグメント、数字でモデルを示す。従来は数字でセグメント、アルファベットでモデルを示していたので、まったく逆になる。 あくまで例えとなるが、GTS 280、GTS 250という製品があったならば、これらは同じセグメントのバリエーション
■ 第444回 ■ SSDの信頼性は、すでにHDDを超えている ~東芝セミコンダクター社 インタビュー 一昨年、昨年と大幅な低コスト化が進んだことで、モバイルPC用ストレージとしての存在感を増しているSSD。いくら安価になったとは言え、さすがに絶対的な記憶容量や容量あたりの単価ではHDDにかなわないSSDが、これほど注目を集めるのは、高性能、低消費電力、小型、耐衝撃性といった要素を備えているからだ。 特に1.8インチHDDを前提とした小型ノートPCの場合、本来はSSDが不利な記憶容量の面でも同等レベルになってきており、消費電力低減や軽量化といった要素も含め、トータルでSSD搭載モデルの方が魅力的なのは当然のことだ。 しかし同時に、ノートPC向けSSDが徐々に一般化する中で、SSDのセルはMLCへと主流が移り変わり、セルの書き換え可能回数はSLCより減ってしまった。本当にSSDでも大丈夫なの
このスペック表を見る限り、Intel 855PMとIntel 855GMの差は、グラフィックスコアを内蔵しているのか、そうでないのかだけにしか見えないだろう。 だが、実際には、2つのチップセットはスペックではわからない大きな差がある。それが消費電力だ。Intel 855GMの熱設計時に利用されるピーク時の消費電力である熱設計消費電力(TDPtyp)が3.2Wで、バッテリ駆動時間に大きな影響を与える平均消費電力が1.7W程度であるのに対して、Intel 855PMのそれはTDPtypが2W台の前半、平均消費電力が1W以下と、消費電力の点で差があるのだ。 グラフィックスコアがないのだから当たり前だろう、という声もでてくると思うが、それが実は当たり前でもない。たとえば、モバイルPentium III-M用のIntel 830Mファミリーは、グラフィックスなし版のIntel 830MPと、グラフィ
●汎用コンピューティングで近づくCPUとGPU AMD(旧ATI Technologies)の、DirectX 10世代ハイエンドGPU「R600」が、いよいよ登場しようとしている。R600ファミリーやそのデモ映像は、先週ドイツで開催された「CeBIT」でリークされた。R600が登場すると、NVIDIAのGeForce 8800(G80)と並んで、DirectX 10世代のGPUが揃うことになる。 両社のDirectX 10 GPUは、いずれも、Unified-Shader型アーキテクチャで、無制限のシェーダプログラム長やシェーダからのメモリアクセスなど、汎用的なコンピューティングに適用できる機能を備える。また、NVIDIAは「CUDA(クーダ:compute unified device architecture)」、AMDは「Close to the Metal(CTM)」で、汎用プロ
●283平方mmとこれまでにないビッグサイズのBarcelona AMDは2月11日から米サンフランシスコで開催されている半導体学会「2007 ISSCC (IEEE国際固体回路会議)」で、クアッドコアCPU「Barcelona(バルセロナ)」の詳細を明らかにした。AMDは、Barcelonaについては2006年5月以降、何度か発表を行なっており、今回は技術情報を追加したに過ぎない。しかし、2007年中盤の製品投入を控え、Barcelonaの姿は、より鮮明になってきた。 Barcelonaは、従来のAMD CPUコアを拡張し、SIMD浮動小数点演算性能を倍増、命令フェッチ機能などを強化した。この世代の新CPUコアは、以前は「K8L」または「Rev. H」と呼ばれていた。Barcelonaは、新CPUコアをクアッドコア構成にし、L3キャッシュを追加、インターフェイス回りを一新したCPUだ。
11月14日(現地時間)発表 米AMDは14日(現地時間)、世界初のエンタープライズ向けHPC(High Performance Computing)専用プロセッサ「AMD Stream Processor」を発表した。 Stream Processorは、従来の意味のプロセッサではなく、GPUであるRadeonをグラフィックス以外の汎用データ処理に用いたもの。AMDではCTM (Close to Metal)と呼ばれる開発環境も発表しており、これにより、GPUのネイティブ命令セットやメモリにアクセスでき、CPUと同様に扱えるようになる。 GPUはストリーミングデータ処理に適していることから、財務分析や地震の解析など大規模な並列計算が必要な分野で、CPUを用いるより、処理時間を短縮できる。 性能についても、CTMにより、OpenGLなど一般的な3D APIを使う場合より、最大で8倍向上する
発表会では、東京大学 情報理工学系研究科の平木敬教授が、同プロジェクトの概要、新しく開発したプロセッサなどの説明を行なった。 今回発表されたGRAPE-DRプロセッサは、できる限り機能を絞って小型化したというコプロセッサを512コア搭載し、動作周波数500MHzで512G FLOPSの演算性能を1チップで実現。1チップで512コア、512G FLOPSは世界最高を達成し、また、消費電力は最大60W、アイドル時30Wで、こちらも汎用プロセッサとして演算速度当たり世界最低だという。 プロセッサは16の演算ブロック、共有メモリ、PLL(Phase Locked Loop)などの各モジュールで構成されたシンプルな構造。演算ブロックに32コアを内蔵し、32×16の512コアとなっている。1つのコアはレジスタ、加算(FADD)、乗算(FMUL)など、演算に必要な回路のみに切り詰めたという。演算の実行は
mylo Personal Communicator COM-1には、黒(写真)と白の2色がある。黒は、ツヤのある表示で、落ち着いた感じのデザイン。全体はプラスティックだが、わりと質感があって安っぽい感じはない 米国で販売中のソニーの「mylo」は、“Personal Communicator”という位置付けの機器。 なんだかPSPを小さくしたような感じのデザインで、音楽や静止画、動画プレーヤーとOpera Webブラウザ、Skype、Google Talkなどを搭載している。無線LANが内蔵されているため、ホットスポットなどで、チャットや通話(マイク内蔵)が利用できる。 現在、取材で米国に来ているのだが、暇つぶしのつもりで購入。だが、このマシン、ちゃんと日本語が表示できる。内蔵しているWebブラウザで、日本語表示が可能なばかりか、テキストファイルの表示やMP3のID3タグ表示などで、何も
●ビジョナリーが夢見るのは数百年後の世界 数年先のPCや家電の規格とか、Webやケータイの新しいサービスとか。IT業界の大きなテーマが、本当はいかに小さいか、この人に会うとよくわかる。 “この人”とは、アラン・ケイ(Alan Kay)氏。メインフレーム主流の時代に、パーソナルでダイナミックなメディア「Dynabook(ダイナブック)」を構想し、先進的アイデアを詰め込んだワークステーション「Alto(アルト)」の開発でも中心的役割を担った伝説的人物。未来を予測する最良の方法は未来を発明することだとの名言を自ら実践してきた、最高のビジョナリーの一人だ。 だが、著名な学者やビジョナリーの中でも、ケイ氏はちょっと毛色が違うように思う。米国のビジョナリーには、起業したり企業の顧問になったり、あるいは自分の大学への企業の寄付集めに熱心だったりと、ビジネスと深い関わりを持つことで自分のアイデアの実現を図
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