婉曲語法は、意地悪で、もともとおだやかなものだった言葉を、耳障りなものにする力をもっている。たとえば、人間についていうugly(醜い)は、homely(気どらない)、つまり「普通の」あるいは「別に目立たない」という意味の言葉にやわらげられた。しかし、今となっては、少なくとも気どらない話し方では、homelyはuglyとまったく同じく不愉快な言葉になっている。(…) hussy(淫乱な女)の芳しくない響きも、婉曲語法からきたのである。hussyは、housewife(主婦)を縮めた言葉であり、主婦が、夫の留守中に氷を届けにきた男やセールスマンと浮気をすることをほのめかす意味などまったくなかったのである。idiot(白痴)にも似たような敬意がある。(…) homely, plain, ornery, hussyその他は、望ましくないものとして認められている性質を指すための婉曲語法として登場した