自治体職員にカメラを向け、制止を聞かずに動画を撮影する問題が起きている。毎日新聞が動画投稿サイト「ユーチューブ」を調べたところ、少なくとも8自治体の動画がアップされ、無断撮影した一般市民が「暇なやつらだ、仕事しろ」と職員に暴言を吐く場面もあった。こうした行為を禁止できるかが争われた訴訟の判決が6月、言い渡された。司法判断は問題行為の歯止めになりうるか。【秋丸生帆、長沼辰哉】 判決があったのは千葉地裁。千葉県船橋市の役所内で規則に反して動画を撮影し、職員を侮辱する発言を繰り返した市内の男性に対して、高瀬順久(よしひさ)裁判長は市の許可なく撮影することを禁じた。市の代理人を務めた横山雅文弁護士によると、住民による過剰な動画撮影を禁止した判決は初めてとみられる。