「リブラ」を米政府が認可しない本当の理由 リブラが普及するほど各国中央銀行の利益は減る。政府の特権に正面から挑戦している 吉松崇 経済金融アナリスト デジタル通貨と仮想通貨はどう違うのか? 今年の6月、フェイスブックがデジタル通貨「リブラ」の発行構想を発表した。 だが、フェイスブックがこの構想を発表するや否や、米金融当局や議会から、金融システムへの悪影響やマネーロンダリングを懸念する批判が相次いでいる。 アメリカばかりではなく、G20財務相・中央銀行総裁会議も、10月18日、「フェイスブックが主導するリブラなどのデジタル通貨には深刻なリスクがある」との合意文書を発表した。 10月23日の米議会での公聴会では、フェイスブックのザッカーバーグCEOが議員たちの激しい批判に曝されて、「米当局の承認が条件である」と言明せざるを得なかった。 どうやら、「リブラ」は四面楚歌である。 「リブラ」の着想は