長男を殺害し、遺体を切断して捨てたとして、殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われた無職、藤見秀喜被告(62)の裁判員裁判は18日、徳島地裁で証人尋問があった。 被告の妻(64)が統合失調症の長男について「殺されたことより、この世にでてきて、居場所がなかったことが哀れ」と泣きじゃくると、裁判員は顔を赤くして涙をぬぐった。被告も泣きだし、弁護人ももらい泣きした。 証人尋問で、妻は長男からガラスの破片をもって追い掛けられたこともあったと説明。「警察にも病院にも断られ、友人に逃げられ、あの子はどこに居場所があったのか」とおえつを漏らし、ハンカチを強く目に押し当てた。 起訴状によると、藤見被告は5月2日、大阪府八尾市の自宅で寝ていた長男の一さん=当時(33)=を工具で殴って殺害、のこぎりで首を切断するなどし、徳島県鳴門市の大鳴門橋から海に捨てたとしている。