月額10ドルを払えば、毎日映画館に行くことができる――。6年ほど前、こんなうたい文句を掲げて米国で大流行した「ムービーパス」をご存じだろうか。「映画館版Netflix(ネットフリックス)」と呼ばれ、2017〜18年にかけて急速に拡大したサービスだ。会員に配られる赤いデビットカードが目印で、最盛期には映画ファンから時間に余裕のある高齢者まで300万人超が利用した。 筆者も例外ではなく、18年春に届いたばかりのカードを携えてSF映画『レディ・プレイヤー1』を見に行った。当時のチケット代は9ドル(当時の為替レートで約970円)だったので、月10ドルで事業として成立するのかいぶかしんだことを覚えている。結局カラクリはなく、現金燃焼に歯止めがかからなかったムービーパスは19年9月に事業を停止した。 数年前の話を持ち出したのは、運営企業の内幕を描いたドキュメンタリー映画『MoviePass, Movi
![“映画館版Netflix”の破滅と再生 創業者のお手本は「すきやばし次郎」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/593dd32833d72dd502c1381f5b87055cddf74340/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00568%2F061700013%2Ffb.jpg)