[メインページに戻る | 前のページ | 次のページ] 研究者が語る清・チベット関係 ■平野聡著『清帝国とチベット問題』(古屋大学出版会2004/07)は、筆者によると、時代に存在したというチベットと中国との間に存在した民族統合の歴史を、成立から瓦解まで述べたものである。本書が発表された際、依頼原稿により二つの書評を出した。現在、清とチベットの関係について、いろいろな言説が錯綜しているため、新たな文を書こうかと思ったが、煩わしいため、この二つの書評を転載して清・チベット関係を歴史資料に基づいて研究する者の見解を述べたい。 最初の書評が『歴史学研究』に掲載されたもので、後の書評が『東洋史研究』に掲載されたものである。清朝史の研究者、杉山清彦氏も『史学雑誌』(115-9, 2006.9)に本書の書評をだしているため、そちらも併せて参照されたい。 『歴史学研究』(No.804, pp.57-59