中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 作者: 與那覇潤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11/19メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 193回この商品を含むブログ (113件) を見る この本は最近店頭に並んだばかりだが、早速ネットなど多くの人が感想を論じている話題の書である。古代以来の日本の歴史を「中国化」と「脱中国化=江戸化」という二つの異なる統治原理の間を揺れ動きながら形成されてきたものとして捉えつつ、現代の政治・経済的な混迷を世界が「中国化」する中で日本がうまく対応できないところにあると診断する、明確な視点に貫かれた刺激的な日本社会論ということになるだろうか。 本書で使われている「中国化」とは、具体的には貴族の特権を廃し皇帝一元支配が確立した宋朝中国の統治原理を一般化した概念を指す。それは、権威と権力の一致、政治と道徳の一体化、社会的地位の一貫性、経済