一昨日、ラセターとピクサーのスタッフが第七スタジオに来訪したことを書いたが、実は、ピクサーのある作品と高畑さんには、深い繋がりがある。今日から2回に分けて、それを書こうと思う。おそらく誰も知らないことだと思うし、ぼくが大好きなエピソードの一つだ。 「かぐや姫」準備室で田辺さんが絵コンテ作業を進めていた或る日のこと、ジブリ海外事業部のマさんから僕に電話がかかってきた。アメリカからピクサーのスタッフがジブリ美術館に遊びに来ていて、その中の一人が高畑さんにどうしても会いたいと言っているというのだ。名前を聞くと、マイケル・アーントだという。「リトル・ミス・サンシャイン」で、アカデミー脚本賞を受賞し、「トイ・ストーリー3」の脚本を担当した人間だ。 「リトル・ミス・サンシャイン」は僕の大好きな映画の一つだったので、僕は少し興奮気味に高畑さんに伝えた。 西村「高畑さん、『リトル・ミス・サンシャイン』って