奈良県田原本町の放火殺人事件で少年(18)の供述調書などを漏らしたとして、刑法の秘密漏示罪に問われた精神科医崎浜盛三被告(51)の公判が27日、奈良地裁(石川恭司裁判長)であった。 調書を引用したフリージャーナリスト草薙厚子さん(44)の著書が講談社から出版された当時、社内で唯一、出版に反対したとされる同社の週刊誌「週刊現代」の加藤晴之・元編集長(53)が弁護側証人として出廷、「本に公共性、公益性がないのが一番の問題だと思った。出版するべきではなかった」と述べた。 弁護側から、出版に反対した理由を質問されると、加藤元編集長は「知る権利とプライバシーのバランスを欠いていたため」と話し、「結果として公権力の介入を招いた」とした。 さらに、「草薙さんは情報源を明かしましたが、あなたはどうしますか」と問われると、「しません。情報源は必ず守らなければいけない」と答えた。 石川裁判長が「本になる前に、