食中毒の原因となる「ノロウイルス」を大量にくっつけて除去する腸内細菌が見つかったと、北海道大などの研究チームが28日、発表した。 治療薬の開発や、水を浄化するバイオ技術に応用できる可能性がある。米ウイルス学専門誌(電子版)に掲載された。 ノロウイルスは、人の消化管に入ると、小腸の細胞表面にある「糖鎖」と呼ばれる構造にくっついて入り込み、激しい下痢や嘔吐(おうと)などを起こす。 北大の佐野大輔准教授(水処理工学)らの研究チームは、人の便の中から、小腸の糖鎖とよく似た糖鎖を表面に持つ腸内細菌を発見した。この細菌を培養してウイルスと混ぜたところ、条件が整えば細菌一つで1万個以上のウイルスを吸着し、細菌ごと除去できることが分かった。 この細菌は、人の腸内でよくみられる菌で、ノロウイルスに感染した時に症状を軽くしている可能性がある。佐野准教授は「菌の毒性など不明な点も多いため、治療などに使えるかはさ