15ナノメートル(100万分の15ミリ)という薄さの強誘電体を作ることに、東京工業大学と東北大学の研究グループが成功した。非常に薄い単結晶膜を作製できたことで、超高密度メモリーや、電池の寿命が飛躍的に延びた高性能のスマートフォンやノートパソコンが実現できる、と研究者たちは言っている。 強誘電体は、電圧の向きを変えると電極のプラス、マイナスが反転し、かつ電圧をゼロにしても分極が保たれる特性を持つ。すでにICカードなどに利用されている。しかし、薄くすると特性が落ちてしまうことが、応用範囲を広げる障害になっている。 東京工業大学元素戦略研究センターの清水荘雄(しみず たかお)特任助教と舟窪浩(ふなくぼ ひろし)教授、東北大学金属材料研究所の今野豊彦(こんの とよひこ)教授と木口賢紀(きぐち たかのり)准教授らの研究グループは、トランジスタの絶縁体として広く使われている酸化ハフニウムに着目した。そ