水増しの疑いが持たれてきた中国税関の貿易統計で、“化けの皮”がはがれ始めている。中国税関総署が8日発表した5月の貿易統計は、輸出が前年同月比1・0%増で、前月の同14・7%増から急ブレーキがかかった。中国の貿易統計は、香港を経由した投機的な資金で水増しされているとの疑惑が強まり、指摘を受けた当局が取り締まり強化の方針を出した直後の結果だ。摘発を恐れる“関係者”が露骨に反応したとも取れるが、問題は統計の信頼失墜にとどまらない。中国国家の信頼とともに、他国の投資判断の先行きがかかっている。香港向け輸出の異常さ 中国の1~4月の輸出は前年同期比17・4%増、輸入は同10・6%増と非常に“好調”な数字だ。2012年通年での輸出が前年比7・9%増、輸入が同4・3%増だったことと比べれば、際立っていることがよく分かる。 ところが内容に目を向けると、あやしさが噴出する。 証券系シンクタンク、大和総研のリ