2017年12月11日、最高裁は浄水設備導入を巡る収賄などの罪に問われた岐阜県美濃加茂市長、藤井浩人被告の上告審で市長の上告を棄却する決定をした。懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円とした二審の有罪判決が確定し、公職選挙法の規定により失職した。(朝日新聞記事) この事件は藤井が美濃加茂市の市会議員だった13年4月に、地下水供給設備会社社長から設備導入の依頼を受け合計30万円の賄賂を受け取ったというものだ。その年の6月、28歳という全国最年少の市長として当選した藤井は、14年6月24日にこの汚職事件で愛知県警に逮捕された。 しかし無実を訴え、一審の名古屋地裁判決は無罪。だが検察が控訴した二審名古屋高裁判決は逆転有罪となり最高裁に上告していた。 本書は、最高裁の判決直前までの経過を担当弁護士が詳細に記録したものだ。元東京地検特捜部の検事だった著者は、企業や官庁の不祥事対応の専門家であり、