幻の名碗 曜変天目に挑む(2003年・NHK) NHK-BSプレミアム 七色の光彩を放つと言われる曜変天目茶碗。現存する曜変天目茶碗は世界に3個で、そのいずれも日本にあり、国宝指定されている。要は日本での評価が高いということなんだろう。日本では、その希少性もあって徳川将軍家や足利家、織田信長が所有したものもあるらしい。ちなみに元々は800年前、中国福建省の建窯(けんよう)で焼かれたものである。 僕自身は3点の国宝をすべて直接目にしていると記憶しているが(もしかしたら2点だったかも知れない)、焼きものの門外漢である僕のような人間にとってもやはりインパクトがある器である。それを考えると、多くの陶芸家がその再現を模索したとしても何ら不思議ではない。そういうわけで、このドキュメンタリーでは、曜変天目の再現を目指す若き作家たち、瀬戸焼の長江惣吉(9代目)、美濃焼の林恭助、中国福建省の孫健興の3人の取