交通が発達した現在でも、全国に渡し船が残っています。なかには、「道路」の一部として運航されているものも。船なのに「道路」とはどういう意味で、どのような船が運航されているのでしょうか。 観光用とは異なる「道路」としての渡し船 かつて日本にはあちこちに渡し船がありましたが、交通が発達し、橋が架けられていくと、しだいに姿を消していきました。比較的近年まで残っていた渡し船も、その多くは並行区間に橋が架けられたことでその役目を終えて廃止されていますが、いまなお現役の渡し船も各地に存在します。 拡大画像 かつて富山県高岡市営渡船として小矢部川の河口部を渡していた「如意の渡し」。伏木万葉大橋の開通にともない2009年に廃止された(石川大輔撮影)。 現在残っている渡し船は、民間が運営するものと自治体が運営するものに大別されます。後者の多くは無料で利用でき、「航路」ではなく都道府県道や市町村道といった「道路