「賃上げ、33年ぶりの高水準」 「初任給5万円以上の大幅増額」 「年収大幅増」 2024年春以降、メディアのヘッドラインを飾ってきた文言の数々です。賃上げの動きは確実に加速しているものの、生活実感はどうかというと、むしろ逆という人が多いのではないでしょうか。 日本の賃金を各国と比較するとその差に愕然(がくぜん)とします。日本はなぜこうまで賃金が上がりにくいのか。複雑な構造要因をひもときます。 (国際部デスク 豊永博隆)
労災で妻を亡くした男性が、法律の規定により遺族補償年金を受けられないのは不当だとして国を訴えた裁判が始まりました。規定では、残された家族が妻の場合は年齢制限がありませんが、夫の場合は54歳以下だと支給を受けられないため、男性は「不当な差別だ」と訴えていて、これに対し国は争う姿勢を示しました。 東京都に住む54歳の男性は5年前の2019年に団体職員だった妻を亡くし、長時間労働などが原因だったとして労災に認定されましたが、男性が国に遺族補償年金を申請したところ、認められませんでした。 労災保険法では、残された家族が妻の場合は年齢に関係なく遺族補償年金を受けることができますが、夫の場合、妻が死亡した時に54歳以下だと受けることができないとされていて、男性はこうした規定は不当な差別で憲法違反だとして国に処分の取り消しを求めています。 13日、東京地方裁判所で裁判が始まり、原告の男性が意見陳述を行い
来月から実施する定額減税について、政府は、給与などを支払う企業に対し、給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づけることにしています。 政府が実施する定額減税では、1人当たり年間で所得税が3万円、住民税が1万円減税され、会社員など給与所得者については、扶養家族の分も含めて、来月以降、支給される給与やボーナスに反映されます。 このうち所得税について政府は、給与などを支払う企業に対し、減税額を給与明細に明記するよう義務づけるため、関連する法律の施行規則を改正しました。 政府としては、実際にいくら減税されたかを示すことで、手取りの増加を実感してもらうねらいがあります。 一方、住民税については6月分は一律、徴収されないため明細上は0円となり、7月以降の11か月で、減税が反映された納税額を徴収されることになります。 これに関連して鈴木財務大臣は、21日の閣議のあとの記者会見で「賃金の上昇が現れる時
職業差別とも捉えられかねない発言をし、その後、辞職の意向を表明した静岡県の川勝知事は「職業差別と捉えられるのは本意ではない」と述べ、発言を撤回し、改めて謝罪しました。 静岡県の川勝平太知事は今月1日、新人職員への訓示の中で「県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです」と発言し、職業差別とも捉えられかねないとして波紋が広がる中、翌日の2日、辞職の意向を表明しました。 3日に改めて行った会見では、発言について謝罪したものの、撤回はしませんでした。静岡県庁には5日午後5時までに電話やメールで2400件を超える批判が寄せられたほか、県議会の会派からも発言撤回の申し入れがありました。 こうした中、川勝知事は5日夕方、静岡県庁で報道陣の取材に応じ「なりわいの違いを申し上げたつもりでしたが、その
4月1日から運送業と建設業、それに医師の3つの業種で、時間外労働の上限規制が始まります。長時間労働の是正が期待される一方で、労働時間の減少によって、物流や地域医療などに支障が生じると指摘されている、いわゆる「2024年問題」に、社会がどう対応していくかが課題となっています。 目次 運送業の中小企業 人手不足 深刻化を危惧する声 大手ハンバーガーチェーン 配送時間帯を早朝に 働き方改革に伴って労働基準法が改正され、2019年から多くの業種で時間外労働に上限が設けられましたが、運送業と建設業、それに医師は、準備期間として5年間、適用が猶予されていました。 4月1日から、これら3つの業種も規制の適用が始まり、 ▽運送業のトラックやバス、タクシーのドライバーは、時間外労働の上限は原則、月45時間、年360時間とされ、特別な事情があった場合、上限は年960時間以内となります。 ▽建設業の現場で働く人
静岡県が着工を認めていない「リニア中央新幹線」について、JR東海は、国の専門家の会議で目指してきた2027年の開業を断念する方針を明らかにしました。 会社では静岡での工事には10年程度かかるとしていて、仮に今すぐ着工できたとしても開業は2034年以降になる計算です。 リニア中央新幹線をめぐっては、静岡県が環境に対する影響が懸念されるなどとして着工を認めていません。 このため、JR東海は東京・品川と名古屋を結ぶ区間について、目指してきた2027年の開業は難しいという見解をこれまでに示していて、去年12月には、「2027年」としてきた開業時期を「2027年以降」に修正していました。 こうした中、JR東海の丹羽俊介社長は29日、国土交通省で開かれた専門家の会議の中で「2027年の名古屋までの開業は実現できる状況にはない」と述べ、2027年の開業を断念する方針を明らかにしました。 静岡での工事に着
日経平均株価はことしに入り、バブル期の1989年につけた史上最高値を更新しましたが、景気がよくなっている実感があるか、NHKの世論調査で尋ねたところ、「ない」と答えた人が8割を超えました。
去年1年間の生活保護の申請件数は前の年より7.6%増えて25万件を超え、この10年余りで最も多くなったことがわかりました。厚生労働省は「新型コロナの影響が長期化したことや、物価高騰などで貯蓄が減少していることが影響していると考えられる」としています。 70代男性 コロナ禍で仕事減少 物価高騰で生活保護受給 大阪府内で1人で暮らす70代の男性は、フリーランスのライターとして40年近くにわたって雑誌の企画や取材などの仕事を請け負い、年300万円ほどの収入で生計を立てていました。 しかし、コロナ禍をきっかけに2020年ごろから仕事の発注が大幅に減って年収は100万円を切り、いまも仕事が回復しない状態が続いているということです。 月3万円ほどの年金とコロナ禍に国が行った事業者向けの給付金や生活費の貸し付けなどでやりくりしていましたが、こうした支援が去年までに終了したことに加え、物価高騰の影響で食費
ことし10月。 あるニュースが航空業界をにぎわせました。 大勢の力士が同じ飛行機に乗り合わせることになり、重量オーバーに。 急きょ、臨時便が運航されたというのです。 航空関係者がそろって「聞いたことがない」という珍しいトラブルで、 海外メディアでも取り上げられました。 当時、何が起きていたのでしょうか。 (大阪放送局 関西空港支局 記者 高橋広行) “おさまりません 無理です” 当時の状況を説明してくれたのは、日本航空オペレーションコントロール部の奥津俊幸マネージャー。 問題がわかったのは10月11日の夜。 この航空会社では午後6時半ごろから、翌日運航する便の準備作業に入ります。いつどのようなルートで、どのくらいの燃料を積んで飛ぶかなどを管制官に伝え、社内でも共有する「フライトプラン(飛行計画書)」を作成するためです。 ここで重要なのが「ウエイト(重量)」と「バランス(重心)」。 略して“
一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「ライドシェア」の導入をめぐり、政府は作業チームで議論を始めました。担当する河野デジタル大臣は、地域でタクシーなど移動手段が不足している状況を踏まえ結論を急ぐ考えを示しました。 「ライドシェア」の導入をめぐって、政府は、年内に一定の報告をまとめたいとしていて、規制改革推進会議のもとに有識者らによる作業チームを設け、6日自治体やタクシー会社なども招いて初会合を開きました。 この中では、出席者から、一般のドライバーによる輸送はタクシーと違い安全管理が十分行えないのではないかといった懸念が示されました。 これに対し、海外ではタクシー会社に限らず、利用者にドライバーを紹介する事業主体が安全管理の責任を負う法律があり、参考にすべきだという意見が出されました。 一方で、導入する場合にはタクシー会社の経営に与える影響も考慮する必要があるといった指摘なども出
宇宙などから降り注ぐ極めて小さな素粒子、「ニュートリノ」の観測を進め、日本人研究者のノーベル物理学賞受賞にもつながった岐阜県飛騨市にある大規模な観測装置「スーパーカミオカンデ」の後継となる「ハイパーカミオカンデ」の建設現場が29日初めて報道関係者に公開されました。 飛騨市神岡町の東京大学宇宙線研究所が運用する大規模な観測装置「カミオカンデ」と「スーパーカミオカンデ」は、宇宙などから降り注ぐ極めて小さな素粒子、「ニュートリノ」の観測に成功するなどして、日本人研究者の2度のノーベル物理学賞受賞につながりました。 3年前から「スーパーカミオカンデ」のおよそ8倍の「ニュートリノ」が観測できる「ハイパーカミオカンデ」の建設が地下600メートルの場所で進められていて、29日は水が入った巨大なタンクを収めるために掘り進められている建設現場が報道関係者向けに初めて公開されました。 公開されたのは高さ21メ
原付き免許や普通自動車免許で運転できる「原付きバイク」。現在は総排気量50CC以下のバイクが該当しますが、警察庁は、条件を満たした総排気量125CC以下のバイクも区分に加えることについて、検討を開始しました。 「原付きバイク」は、原付き免許や普通自動車免許で運転することができ、若者から高齢者まで、身近に利用できる乗り物として普及していますが、再来年11月に、排ガスの規制基準が強化され、現在のエンジン性能のままでは新たな生産ができなくなります。 一方、業界団体からは50CC以下のまま規制に適合した原付きバイクを生産するには開発費用がかさみ、採算が取れないなどといった声があがっていました。 こうした状況を踏まえ、警察庁は現在は普通自動二輪に分類される総排気量125CC以下のオートバイのうち、最高出力を4キロワット以下に制御し、速度が出ないようにしたものも「原付きバイク」の区分に加えることについ
「徐々にすべての鳥とお別れする」 アメリカの起業家でかつてのツイッターを買収したイーロン・マスク氏の投稿です。「鳥」とは、ツイッターの象徴だった青い鳥のロゴのこと。マスク氏はこのロゴを廃止し、ブランドを「X」に変更したのです。 突然のブランド変更の狙いとは何なのか、SNSなどのメディア戦略に詳しい、アメリカの専門家に聞きました。(ロサンゼルス支局記者・山田奈々) ツイッター消滅 「X」に変更 ツイッターを買収後、次々と改革を進めてきたイーロン・マスク氏。 2023年7月24日に、ついに、ツイッターの青い鳥のロゴを廃止し、運営会社の名前とおなじ「X」にブランドを正式に変更しました。 マスク氏は「ツイートは今後何と呼ぶべきか」と問われると「X’s」(エックセズ)と答えましたが、リツイートについては考え直すと述べるにとどめました。 電子決済など日常のあらゆる場面で使える、中国のウィーチャットのよ
バブル期の前後、観光客を呼び込もうと、国内各地で巨大な観音像が建てられました。中には管理が行き届かなくなって老朽化が進み、地域の住民から不安や戸惑いの声があがっているものもあります。専門家は「巨大であるがゆえに修復や撤去に費用がかかり、その取り扱いが課題になっている」と指摘しています。 専門家によりますと、1930年代以降、戦没者の慰霊などを目的に、高さが数十メートルに達するような巨大な観音像が国内の各地に建てられました。 1980年代前半からバブル期にかけては観光客の呼び込みを目的にしたものが中心となり、高さを競うように巨大化が進んだということです。 このうち、石川県加賀市にある鉄筋コンクリート造り、高さ73メートルの観音像は、1987年に地元出身の実業家によって建てられました。 当初は多くの観光客が訪れましたが、バブル経済の崩壊後、周辺に整備されたレジャー施設は相次いで閉業し、観音像は
23日朝、神奈川県鎌倉市で乗客およそ2000人を乗せたJRの上りの列車が、信号を見誤って貨物線の線路に進入するトラブルが起きました。列車はそのまま貨物線の線路を走り、途中の駅に止まることができず、およそ30キロ離れた駅まで走りました。 JR東日本横浜支社によりますと、23日午前6時半ごろ、神奈川県鎌倉市にある東海道線の大船駅で上り列車が貨物線の線路に誤って進入しました。 列車には乗客およそ2000人が乗っていて、そのまま貨物線の線路をおよそ30キロ走り、川崎市のJR武蔵小杉駅で止まりました。 本来の線路を走っていれば停車するはずだった横浜駅や川崎駅など4つの駅には止まることができず、これら4つの駅で降りる予定だったおよそ600人は武蔵小杉駅で別の列車に乗り換えたということです。 JR東日本によりますと、大船駅の手前1キロほどのところで、貨物線に向かう信号がついていましたが、運転士が本来向か
5日午後、埼玉県春日部市の祭りであがっていた巨大なたこが落下し、民家に接触しました。警察によりますとけが人はいませんでした。 5日午後3時前、春日部市西宝珠花の江戸川の河川敷で行われていた「大凧あげ祭り」で、あがっていたたたみ100畳分の巨大なたこが突然、土手を越えて落下し住宅に接触しました。 警察によりますとこの事故で2軒の住宅の屋根の一部が欠けるなどの被害が出ましたが、けが人はいませんでした。 祭りの運営にあたっていた「庄和大凧文化保存会」の川島栄会長は「きょうはたこ揚げには適した風だったのですが、瞬間的に強風が吹いてバランスを崩し、落下してしまいました。住宅に被害が出てしまい、皆様にご迷惑をおかけし、反省しています。強風の際の対応はきちんと検討していきたいと思います」と話しています。 警察が詳しい状況を調べています。
ポストモダン建築の旗手として注目を集め、「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞に選ばれるなど、国際的に高い評価を受けた建築家の磯崎新さんが12月28日、老衰のため、那覇市の自宅で亡くなりました。91歳でした。 磯崎さんは1931年に大分市で生まれ、1954年に東京大学工学部建築学科を卒業して大学院では日本を代表する建築家の丹下健三氏に師事しました。 1963年にアトリエを設立し、初期の代表作となる旧・大分県立大分図書館や北九州市立中央図書館など、地元の九州地方などで次々と建築物を手がけました。 また、1983年に完成した茨城県の「つくばセンタービル」は、画一化された近代建築への批判を込めたポストモダン建築の代表作とされ、国内外からポストモダン建築の旗手として注目されました。 このほか、ロサンゼルス現代美術館やバルセロナオリンピックの屋内競技場など世界各地で作品を手がけ、国際的に高い
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