東京・銀座のはずれに、風変わりな建造物がある。かつて日本の未来のビジョンを体現していた「中銀カプセルタワービル」だ。 設計者は「メタボリズム」のパイオニア、黒川紀章氏。メタボリズムは1960年代の建築運動で、急速かつ継続的に発展する都市景観の変化に適応し得るようなダイナミックな建物という概念を提示した。(参考記事:「エコ都市を目指すドバイ」) タワービルは洗濯機を積み重ねたような外観だ。鉄筋コンクリート造の2つのタワーと、「取り外し可能」な直方体の部屋から成る。各部屋の床面積は約10平方メートル。工場で製造したものを4つのボルトでタワーに固定している。タワーはそれぞれ11階建てと13階建てになる。カプセルと呼ばれる部屋には、つくり付けの家具や電化製品が完備されており、航空機のトイレと同じ大きさのバスルームもある。