誰でも被害者になり得る問題として社会全体で考え、再発防止に本腰を入れるべきだ。ネットのデマによる損害や人権侵害のことである。 茨城県の常磐自動車道で起きたあおり殴打事件を巡り、容疑者と無関係の女性が「同乗していた女」とインターネット上で名指しされ、中傷の書き込みが相次いだ。 被害に遭った女性は記者会見し「軽い気持ちでデマを拡散することの怖さをしっかり考えてほしい」と訴えた。女性の弁護士は情報の発信や拡散に関わった人物の特定を進め、損害賠償請求訴訟や刑事告訴を準備している。 2017年には全国各地の弁護士が、ネット上の特定のブログの呼び掛けに賛同した人々から計約13万件に上る懲戒請求を受けた。各地の弁護士会が16年に朝鮮学校への補助金停止に反対する声明を発表したことが発端だが、声明に関わっていない弁護士も請求を受けた。 ブログには書式が用意され、呼び掛けに応じた読者が見ず知らずの弁護士名が記