「宇宙へつながる夢の空港へ生まれ変わる」。赴任を前に羽田空港で搭乗する際に、大分空港をPRする広告をみかけた。前任地で直前まで宇宙担当のデスクだったため、ロケット打ち上げ拠点を目指す「大分空港の宇宙港化構想」については読んだことがあったが、「なぜ大分か」を改めて知りたくなった。 大分空港を構想の候補地に選んだのは、米ヴァージン・オービット社だ。同社から依頼され、国内で候補地を探した一般社団法人スペースポートジャパンの青木英剛理事に聞くと、「最後の決め手は地元からの熱烈なラブコールだった」。 打ち上げに大型航空機ボーイング747を活用するため▽3000メートル級の滑走路がある空港▽旅客便ダイヤが過密ではない▽地域に部品や燃料関係の企業が集積――などが条件だったが、絞り込まれた複数の候補地を訪れた同社の責任者は、県や自治体が「全力でサポートする」姿勢を見せた大分を選択したという。「条件がそろっ