ソフトバンクがイー・アクセスを完全子会社化する。KDDIも買収に動いていたが、交渉に出遅れたソフトバンクが時価総額の3倍強という金額を提示して巻き返した。背景にはスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)時代に逼迫する電波の争奪戦がある。「基地局数でも電波を受けられるエリアの広さでも競合他社を上回る」。ソフトバンクの孫正義社長は1日、都内で開いた記者会見で経営統合のメリットを強調した。ソフトバ
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写真1●イー・アクセスの子会社化は“iPhone 5の1.7GHz帯対応”がきっかけと語る、ソフトバンクの孫正義社長 イー・アクセスを子会社化しようと決めたのは、9月18日の夜に「テザリングをやろうと考えた瞬間」――。ソフトバンクの孫正義社長は、株式交換によるイー・アクセスの完全子会社化(関連記事)に関する緊急記者会見の場でこのように発言した(写真1)。イー・アクセスを子会社化するディールの成立まで、わずか12日程度しかない急転直下の展開であったことを打ち明けた。 当初、ソフトバンクモバイルから発売されるLTE対応のiPhone 5は、同社のネットワークのキャパシティーでは支えきれないとし、テザリングサービスを提供しないとしていた。しかし、同じLTE対応のiPhone 5を発売するKDDIがテザリングを提供すると発表したため、ソフトバンクモバイルは9月19日に緊急記者会見を開催。2013年
ソフトバンクがイーアクセスを完全子会社化すると発表した。このような形で900MHz帯と700MHz帯の両方をソフトバンクが手に入れるのは、公正なことなのだろうか。 900MHz帯免許はソフトバンクとイーアクセスの争いになったが、電波監理審議会は、電波のひっ迫を理由に、2012年2月にソフトバンクを選定した。次いで700MHzが争われたが、ソフトバンクが免許を求めないと宣言したため、電波監理審議会は無競争でドコモ、AU、イーアクセスに免許を割り当てた。2012年6月のことである。 もし、6月より前にイーアクセスが子会社化されていたら、免許の割当て方針は違っていただろう。3社に与えるために、帯域幅を無理やり10MHzに減じる(後々、通信混雑を招く)必要もなかった。プラチナバンドでの免許の割当てが済んだ今は、子会社化を発表するのに絶妙なタイミングなのである。 子会社化を実行するには株主総会と公正
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