これの続き。 かれがよく見抜いたように、歴史修正主義者は、自分たちが批判にたえるまともな議論をしているとは思っていないし、そもそも彼らの真のターゲットは歴史上の通説などではなく、その目的は、歴史を知らない人たちを惑わすことによって自分たちの利益を図ることであり、そのことは歴史家によってつとに明らかにされている。 歴史修正主義者が歴史家に刃向かうのは、通説を書きかえるためではない。自分たちの政治的目的から、歴史を知らない多くの人たちに「もしかしたら通説には瑕疵があって、彼らの言うことにも一理あるのかもしれない」と思いこませるためなのだ。彼らはそのためにさまざまなトリックを用いる。 たとえば自分たちの行為を「見直し」であるとし、歴史家がそれを拒絶するのは偏見や因習にとらわれているからだと人々に印象づけようとする。もちろん彼らの主張が歴史家に受けいれられないのは、その主張が非科学的だからだ。歴史