記事の都合上作品のネタバレになるような要素を含みます。作品を未鑑賞の方はお気をつけください。 良かったら最後までお付き合いください。 あらすじ狭き門である司法試験を突破した沖野は、修習生としての研修の際に出会った恩師である最上からの叱咤激励の言葉に惹かれ、彼にあこがれを抱くようになります。そしてそれがきっかけで、沖野は裁判官や弁護士の道ではなく検察官を志すようになります。 君たちはその手に一本の剣を持っている。法律という剣だ。 (雫井 脩介『検察側の罪人』より引用) 沖野は検察官としてキャリアを着実に積み上げる中で、いつか最上と共に仕事をすることを夢見ています。そして図らずも沖野は最上と共に仕事をする機会を得ます。 それは、蒲田で起きた老夫婦刺殺事件でした。しかし、最上はその事件の被疑者の中に「松倉」という名前を発見します。 その「松倉」というのは、学生時代に最上がお世話になっていた寮管理