【ワシントン会川晴之】ベトナム戦争以来、数々の戦闘に投入されてきた米軍の戦略爆撃機B52が、2050年代まで現役を続ける見通しになった。米国防総省が2019会計年度(18年10月~19年9月)の予算要求(12日発表)に、老朽化したエンジンを取り換える費用約3億ドル(約320億円)を計上した。実際に運用が続けば1955年の導入からほぼ1世紀の長寿命となり、軍用機としては極めて異例だ。 「成層圏の要塞(ようさい)」の異名も持つB52は、米ボーイング社が開発した。米空軍によると2015年末で76機を保有し、改良を重ねて使用を続けている。核兵器を搭載でき、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略原潜と並んで、米国の核戦略における核兵器運搬手段の「三本柱」を構成。東西冷戦時代は、先制核攻撃や報復攻撃を行えるようソ連周辺を飛行する任務についた。 現行のH型は爆弾などの最大搭載量が31トンと多く、最大航続距