社説 安倍氏の原発方針 「ゼロ目標」批判こそ無責任2012年10月11日 Tweet 2030年代の原発ゼロを目指す現政権の方針が「骨抜き」どころか、葬り去られかねない。自民党の安倍晋三総裁が、経団連の米倉弘昌会長との政策懇談会で「責任ある対応が必要だ。原発の比率は下げるが、30年代にゼロにする考え方は取らない」と明言した。 自民党は次期衆院選で第1党に返り咲くとの見方もあり、事実上、これが新しい日本のエネルギー戦略となりかねない。安倍氏はこれまでも原発ゼロ目標を「無責任」と批判しているが、事故原因の徹底究明もされない中、原発にしがみつき、「フクシマ」の教訓に十分学ぼうとしない姿勢こそ無責任だ。 政府が8月に実施した討論型世論調査では、30年までに原発比率でゼロを目指す案への支持は46・7%、政府が有力視していた「15%案」は15・4%、産業界の一部が押す「20〜25%案」は13・0