近代浪漫派文庫が全42巻刊行で完結 [掲載]2007年08月05日 新学社「近代浪漫派文庫」全42巻がこのほど、最終の「三島由紀夫」で完結した。04年2月に刊行開始、吉田松陰らの第1巻「維新草莽(そうもう)詩文集」、2巻に「富岡鉄斎・大田垣蓮月」、3巻「西郷隆盛・乃木希典」、4巻「内村鑑三・岡倉天心」……といったラインアップで、各巻平均1400円。文庫本サイズながら、クレーの絵をあしらった装丁、想定外の人選ともに、反時代的と言いたい空気を濃厚にまとう。 同じ版元から「保田與重郎文庫」(32巻)が先に出ており、雰囲気は似ている。谷崎昭男氏とともに双方の企画・編集に当たった吉村千穎(ちかい)さんは「明治以降の浪漫的気風の芸術家を選んだ」と語る。「文学史は無視し、保田與重郎がどう評価したかと、あとは気分で」だそうだ。 いまどきの新刊で、あまりお目にかからない「宮崎滔天」(9巻)、文章もあったかと