NHKの公共放送としての在り方が改めて問われている。総務省の有識者会議が、受信契約に応じないテレビ設置者から割増金を徴収することなどを柱とした受信料制度の改革案をまとめた。営業経費低減や支払率向上に一定の効果があるとみられるものの、国民の理解を得るためには、2019年度末に1213億円ある内部留保(繰越剰余金)を用いた受信料引き下げなど視聴者への還元策も求められる。(苦瓜朋子) 設置届け出要望 「テレビ離れを加速させる」―。20年9月に開かれた総務省の有識者会議で、日本民間放送連盟は懸念を表明した。NHKがテレビ設置届け出制や未契約者の居住者情報照会の導入を要望したからだ。前田晃伸NHK会長は「テレビ離れはすでに進んでいる。設置届け出とは無関係だ」と反論したが、有識者からも「居住者情報を確認できても受信設備の設置確認は必要。効果は限定的だ」など否定的な意見が相次ぎ、導入は不適当とされた。
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