しかもずっと取ると言われていた小林、益川氏との共同受賞とは。南部陽一郎氏がノーベル賞を取れなかったらノーベル賞の意味がないと思っていたので本当に嬉しい。南部先生は物質の質量の起源となるヒッグス機構のアイデアとなる自発的対称性の破れのアイデアを素粒子に初めて持ち込んだ人なので恐らくLHCでヒッグス粒子を見つけない限りはもらえないと思っていたのだが、もしかすると高齢なんでかつてのランダウのように健康上の理由ということもあるのかもしれない。南部陽一郎は預言者のような研究者で、皆が注目する前に一人何かを切りひらいていくタイプという印象を持っている。量子力学のDiracと似たイメージの人。クォークに色を導入したのもこの人だ。僕が研究しているストリング理論の発見にも関わっている。ごく最近流行しているM2ブレーンを記述する南部ポアソン括弧も大昔に南部陽一郎が物理に導入したものだ。インタビューで益川氏が自