最近の科学の話題ということでもないが、量子力学パラドックス関連の実験で私が時たま考えることのメモの関連をちょっと書いておく。本当は、ラオホ(Helmut Rauch)(参照)自身の論文にあたるべきなのだろう。が、ここでの話は「「量子力学の反乱」―自然は実在するか?(最新科学論選書)」(参照)の孫引きですよ。なお、基本的な話はネット・リソースとしては「アインシュタインの科学と生涯」(参照)によくまとまっているように思えた。 ラオホの実験については後で触れるとして、話のテーマは、シュレディンガー方程式における波束の収束はどのように起きるか(という命題が哲学的にナンセンスな可能性はあるにせよ)、ということ。いわゆる観測問題もちょっと関係している。 さて、ボーアの考えでは、観測の際にミクロの対象はマクロの装置と相互作用したとたんに制御不能な攪乱を受け、瞬間的にフォン・ノイマンが言ったような波束の収