コンクリートがはがれ、鉄筋がむきだしになった光華寮の地下(3月18日、京都市左京区北白川西町) 老朽化が進むが無人で、近隣住民から崩落などを懸念する声がある京都市左京区北白川西町の元中国人留学生寮「光華寮」に、京都市が立ち入り調査していたことが18日までに分かった。京都市空き家の活用・適正管理条例に基づき本来は市が所有者に改善を指導できるが、「二つの中国」と日本をめぐる外交問題の象徴となってきた「光華寮訴訟」が半世紀以上続き、京都地裁で「塩漬け」状態のため所有者は宙に浮いている。指導相手が未定のまま、市は今年1月に初めて調査に踏み切った。 光華寮は1932年建築で鉄筋コンクリート造り5階建て。戦争末期に日本政府の指示で各地の中国人留学生が入居した。戦後、中国共産党との内戦に敗れた国民党政府の台湾(中華民国)が購入した。72年に日本が台湾と国交断絶したため、提訴から半世紀を経た今も所有権をめ