遺稿 改 生こう 詩 吉本素直 (筆名) 阿阿 私はどこまでこうして落ちぶれて 生命断絶の意を固めるまでの破綻した精神状況に陥ったのか? 最早眼前には死あるのみの灰色の光の通らぬ小部屋にて 自己以外の誰とも対話する手段を持たずして 追いやられて行くのを知りつつも 未だ尚、一人で居ようというのだ? 人は皆おしなべて手を取合い生きていくというのに 孤独など飽きる程に経験したというのに それでも尚、愛する唯一の恋人も持たずに 懲りずに鉛筆を削っては丸くなり 丸くなれば尖らせて 誰も見ぬ 誰も聞かぬ我が失望を 泣きっ面で書き連ねているのだろうか? 貧困に喘ぎ、自我に困窮し、自滅的行動に走り 努力も徒労に帰す労働も 人たるが故の義務や大義名分を放ったらかし、 ただ形而上学的な哲学論争に明け暮れて あらゆる宗教書物を読みあさるが どれも不審な眼差しで挑み 騙されまいと片意地を張り 挙げ句の果てに