1998年、日本は長い“冬の時代”に突入した――。 もちろん気温のことではない。私たちの「年収」のことだ。13年後の2011年、いまだに雪は溶けず、春が訪れる気配もない。こうした長いトンネルから抜け出せないことを、当時の日本人は予期していたのだろうか。 国税庁の調査によると、民間企業で働くビジネスパーソン(パートを含む)の収入は1997年まで上がり続けた。収入が上がっているときは「去年より今年、そして来年」と自分たちの生活が豊かになっていくことを実感し、さらに未来に期待していただろう。 ところが、1998年を境にビジネスパーソンの収入は減少していくことに。それが1~2年であればそれまでの蓄えを取り崩し、生活を維持することもできたかもしれない。唯一の救いは物価の下落だが、「給料が減る」「よくて横ばい」という状態が10年以上も続けば「生活が苦しい」と感じている人は多いはずだ。 経済環境がよくな