話題のスマートフォンは、その店舗の一角に、確かに陳列されていた。それは、テレフォニカとLINEが提携して販売するスマホ。LINEがプリインストールされた端末だ。 テレフォニカが下した、通信キャリアとしての異例の決断には、様々な意見が飛び交った。 「若手の間で特に認知度が上がっているLINE人気に、通信キャリアが便乗した形。通話収入を増やすことは諦め、とにかく自社のスマホユーザーを増やそうとする戦略で、自ら『土管になる』と開き直ったようだ」。マドリードのIT(情報技術)業界関係者は、この提携に関してこのような感想を述べた。 LINEをプリインストールしたスマホをキャリアが積極的に売れば、利用者の多くがLINEを使い、音声通話収入の減収につながる。欧州や中南米24カ国で事業展開するテレフォニカは世界でも有数の巨大キャリアだが、自らの土管化に拍車をかけることを承知の上で、新興勢力のLINEと手を