現在公開中の映画『アズミ・ハルコは行方不明』は、とある地方都市に住む若者たちの物語である。山内マリコの同名小説を原作に、主演の蒼井優と同じ31歳の松居大悟監督が手がけた。時間と空間が入り乱れるポップな映像に合わせて、女子高生、20代、30代手前の青春の足掻きが煌く。彼女たちはどこに向かうのか。女性の底知れない強さを感じると共に、彼女たちの行く先にどこか空しさを感じざるを得なかった。 映画の中に登場する女子高生たちはこちらが怖くなるほどに無敵だった。 彼女たちが身に纏っていた濃いピンク。あのピンクを身に纏うことに抵抗を覚えるようになったのはいつからだろう。いつから私たちは、何に遠慮して、あのピンクではなく、目立ちすぎない、目に優しい色を身につけるようになったのだろう。そんなことを、映画を観ながら思った。 春子(蒼井優)や愛菜(高畑充希)をはじめこの映画に登場する女性たちのやり場のない怒りや悲