ブックマーク / book.asahi.com (3)

  • 朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日

    ――平成という時代を象徴する作品として『1Q84』と『ねじまき鳥クロニクル』が、多くの識者の支持を得ました。 平成が始まってまもなく、1991年1月にプリンストン大学の客員研究員として招聘され、渡米しました。ちょうど湾岸戦争が始まって米国は重い雰囲気の中で、『ねじまき鳥クロニクル』を書き始めました。仕切り直しという気持ちが強かったですね。 昭和の末に『ノルウェイの森』(87年)が思いもよらずベストセラーになって、ストレスフルだった。日を離れ日人にも会わず、こもりっきりで、集中して書けた。『ねじまき鳥』は僕にとっても象徴的で意欲的な小説。一番大事なのは『壁抜け』です。主人公が井戸の底でひとりずっと考えていて、別の世界に通じる。深層意識の中に入って行き、出入り口を見つける。『ねじまき鳥』で初めて出てきた『壁抜け』は、小説的な想像力を解き放ち、物語の起爆装置になりました。 ――暴力や根源的な

    朝日新聞「平成の30冊」 村上春樹さんインタビュー 平成を映し、時代と歩む|好書好日
  • 「日本の精神医学この五〇年」書評 米の診断基準導入、病名も概念も変化|好書好日

    ISBN: 9784622079194 発売⽇: 2015/09/19 サイズ: 20cm/219,3p 日の精神医学この五〇年 [著]松雅彦 書は日の精神医学の50年を個人的な臨床経験をもとにふりかえるものである。著者が精神医学に向かったのは、文学にかぶれていたからだといっている。しかし、これは例外的なケースではない。精神病は、私のように文学を志した者にとっても輝かしく映っていた。とりわけ、「精神分裂病」が創造的で深遠なもののように見えた。たとえば、埴谷雄高の『死霊』をはじめ、精神科病院を舞台にした小説が多く書かれたのである。 しかし、現実には、医者が創造的な狂気に出会うことは稀(まれ)である。精神科医は、医師の数が絶対的に不足する劣悪な診療の現場の中にいたし、また、「医局講座制」の支配下にあった。この問題は、1960年代の終わりに起こった大学紛争の核心となった。「反精神医学」の

    「日本の精神医学この五〇年」書評 米の診断基準導入、病名も概念も変化|好書好日
  • コラム別に読む : ぼくらの民主主義なんだぜ [著]高橋源一郎 - 武田砂鉄(ライター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■ことばの復興 君と、ここで 「『ことば』もまた『復興』されなければならない」、朝日新聞「論壇時評」を「3・11」直後から担当し始めた著者は、初回の原稿をこのように締めくくった。それから4年間にわたる連載をまとめた書を通読すると、「ぼくら」は様々なことばを用いて、権力の「再稼働」を警戒してきたことが分かる。 書では、いわゆる論壇以外のことばを積極的に引っ張り出す。何が起きてもすぐに忘れる「ぼくら」は、じゃあ忘れてもらおうと誘発する「国家」の働きかけに頷(うなず)きがち。この4年間、その煙たい働きかけに抗(あらが)ったのは、論壇で育まれる格式張ったことばだけでなく、ツイッター、ブログ、映画、演劇など方々で流れた柔軟なことばだった。 原発事故、秘密保護法、安保法制など、個人の営みが何度も揺さぶられたこの4年間、「可能な限り耳を澄まし、小さな声や音を聞きとろうと努めた」著者は、「国家と国民は

    コラム別に読む : ぼくらの民主主義なんだぜ [著]高橋源一郎 - 武田砂鉄(ライター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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