緊急事態宣言の拡大で、日本全国の映画館で映画を観ることがほぼできなくなった。 私はビターズ・エンドという独立系の映画配給会社で、映画の買い付けをしている。ビターズ・エンドでは『在りし日の歌』という中国映画を4月3日に公開したが、同7日の緊急事態宣言を受けて劇場は休館となり、ほとんど上映できない状態だ。 『在りし日の歌』は、一人っ子政策下の中国で運命に翻弄され離れ離れになった家族たちが時を経て再会する物語。去年のベルリン映画祭で買付を行ってから1年を経て、ようやく公開日を迎えたところだった。山田洋次監督など錚々たる方々に応援してもらい、監督にメールインタビューを行うなど、多くの人の協力を得て、宣伝チームが丁寧な宣伝を行っていた。致し方ないことは重々承知ながら悲痛の思いだった。 5月以降もほぼ毎月のペースで新しい作品の公開予定があるが、先行きは不透明だ。弊社が製作に携わる映画の撮影現場もすべて