・百頭女 ・慈善週間または七大元素 「百頭女」「慈善週間または七大元素」はシュルレアリスムの代表的画家のひとり、マックス・エルンストの代表作。古い挿絵、博物図鑑、商品カタログなどから、図柄を切り抜いて貼り合わせるコラージュ絵画による物語。「二十世紀の生んだ最大の奇書のひとつ」とも評される。 「百頭女」ではすべての絵にキャプション(詩?)がつけられていて、謎めいたストーリーが展開しているが、あまりに謎めき過ぎていて理性的に筋を追いかけることは難しい。むしろ、一枚一枚の強烈な奇想イメージを連続して体験するのが本来意図された鑑賞スタイルのようだ。 不安をかき立てるような、不吉なイメージの数々。書き手も読み手も亡くなっている時代の古い書物から切り出してきた挿絵は、宗教的で時代がかった古めかしいものが多い。あとがきで、澁澤龍彦、赤瀬川源平、埴谷雄高など7人の濃い面子がマックス・エルンストの芸術につい