・図説 地図とあらすじでわかる! 古事記と日本の神々 今年2012年は日本最古の歴史書『古事記』編纂1300年にあたるのでいろいろと本が出ている。これは吉田敦彦氏監修の、古事記あらすじと、地図、図解、写真。神話の解説の背景にはさまざまな学説というのがあるわけで、それをいちいち展開すると、一般書としては話が難しくなるわけだが、この本はバランスよく異説にも触れたり、要約して載せているなあと思った。古事記の全体像を理解するのによくできた本だと思う。 日本の神話と世界の神話とのつながりという観点はこの著者ならではかもしれない。 この本に指摘されていた例を抽出してみると、 半裸になって踊るアメノウズメ → 『リグ・ヴェーダ』、ギリシア神話に類似 異形の妻トヨタマビメ → メルシナ型神話として世界に広く分布 生母の姉妹に育てられ叔母と結婚するウガヤフキアエズ → 『リグ・ヴェーダ』に類似神武天皇らを助