学校の中の事件は、なぜかいつも心が痛くなる。小学生のころ、今のイジメのようなものではなかったが、つまはじきにされた記憶が蘇るからだろう。原因はわからず、誰にも相談できず、私は悩んだ末、親玉になっている子に直談判に出かけた。私が何かしたのか、という問いの答えがあまりにも的外れで、簡単に誤解が解けたことでこの事件は集結した。半世紀近い昔のことなのに、心臓が破裂しそうだったことはよく覚えている。 「神戸連続児童殺傷事件」(酒鬼薔薇事件)にしても「山形マット死事件」にしても、なにが引き金になったのか大人たちは皆目わからず、現実を目の前に突き付けられて右往左往するしかなかった。 「佐世保小6同級生殺害事件」もまた、同級生の少女が、友人の少女の首をカッターナイフで切り裂くという、前代未聞の事件に世間は驚愕し原因解明を求めた。 その事件は2004年6月1日に起こる。佐世保市立大久保小学校で6年生の少女が
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