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◇資料乏しく描写に苦労、取材重ね3年がかり 漫画家のおざわゆきさん(47)が、父親の体験をもとにシベリア抑留を描いた『凍(こお)りの掌(て)』が、小池書院から刊行された。被害者たちが味わったむごたらしい現実を伝える労作だ。 おざわさんが、4年間に及んだ父の抑留体験を初めて聞いたのは30年前、高校生の頃。「家族の戦争体験」を聞き書きする宿題のためだった。第二次世界大戦が終わったにもかかわらずソ連に抑留され、強制労働をさせられる。しかも零下30度の極寒の地で……。想像していた「捕虜」の生活とはかけ離れていた。 提出した宿題は、高い評価を得た。漫画家になってからは、シベリア抑留のことを「いつかきちんとした作品に描きたい」と思ってきた。しかし「戦争についての知識があまりなかったし、父親にはいつでも話を聞けるという油断があって」、なかなか実を結ばなかった。 転機は2006年、抑留を経験した画家、勇崎
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