「本で床は抜けるのか」の書籍版が発売されてから、早いものでもう5カ月経ってしまった。発売後、ウェブサイト版同様、好評をいただき、版を重ね、4刷に達した。また、6月にはボイジャーから電子版が発売された。「マガジン航」を発行していたボイジャーから発売されるということは、鮭が生まれ故郷の川に戻ってきたようなもので、発売時、何とも言えない感慨があった。 ウェブ連載と紙や電子の本とでは、内容の方向性こそ同じだが、両者はまるで別物である。その都度一気に取り憑かれるようにして書いたウェブ版はあくまで途中経過の報告でしかない。一方、紙や電子の本は、新たな章を設けたり、全体をブラッシュアップしたりして、一つの読み物として読めるよう、相当に改良を加えた完成形である。ウェブ版しか読んでいないという方は紙か電子版の「床抜け」をぜひ手に取るかクリックして手に入れてほしい。著者である西牟田は読者からの感想を心待ちにし