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2016年10月31日のブックマーク (3件)

  • 現代人は、森田療法の知恵になにを学ぶべきか 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) | 書評 - 文藝春秋BOOKS

    『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) 職業柄、腰痛持ちである。もう十数年前になるが、ほかの人はどうしているのかという軽い好奇心で『椅子がこわい 私の腰痛放浪記』というを読んだ。著者は『Wの悲劇』などのヒット作で知られる作家の夏樹静子で、のたうち回るような地獄の苦しみと、そこから抜け出して劇的に回復するまでの道のりを描いた闘病記だった。 椅子に座り続けて仕事をする者として、夏樹の経験は決して他人事ではなかった。夏樹と同様、私も整形外科や鍼灸や指圧に通い、プールで筋肉を鍛え、なんとしても治してやろうと必死になればなるほど痛みが増すという悪循環に陥っていた。それでもまだ、自分のほうがずいぶんましだと慰められるような想いで読み進め、中盤、夏樹に医師の診断が下ったところで絶句した。夏樹が苦しんでいた腰痛に器質的な問題はなく、心身症と呼ばれる心因性のもの、すなわちメンタルが原因だっ

    現代人は、森田療法の知恵になにを学ぶべきか 『神経症の時代 わが内なる森田正馬』 (渡辺利夫 著) | 書評 - 文藝春秋BOOKS
  • 生殖医療の衝撃 石原理著 - 日本経済新聞

    10月は生殖医療をめぐるニュースが新聞紙面を飛び交った。アメリカで報告された第三者のミトコンドリア提供を受けた「3人の親」を持つ赤ちゃんの誕生。九州大学・林克彦教授による、培養皿の上でマウスのiPS細胞から大量の卵子が得られ、その卵子から正常な個体をつくることができたことの報告。そして、どのニュースにもこんな文章がくっついていたはずだ。「倫理的な問題が伴い、今後の議論が必要となるだろう」では、

    生殖医療の衝撃 石原理著 - 日本経済新聞
  • 『あたらしい名前』 ノヴァイオレット・ブラワヨ著 評・長島有里枝(写真家) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    祖国を離れて米国へ エチオピアやケニア産のコーヒーを飲みながら考える。ニュースで見聞きするアフリカではしょっちゅう悲しいことが起こっているのに、こんなに 美味 ( おい ) しいものが豊かに実る場所でもあるのか。接点が描けないのは、わたしがアフリカを知らないからだ。そんな思いから、二十一世紀のジンバブエで起こったことを題材にしたこの小説を手に取った。 主人公のダーリンは十歳の女の子。彼女の国では、政治がうまく機能していない。家は壊され、いまはブリキの小屋からなる集落、パラダイスに住んでいる。国はひどいインフレで、米ドルを持つ白人以外は、みんな貧しい。 学校は閉鎖されていて、バスタード(くそったれ)やゴッドノウズ(神のみぞ知る)という奇妙な名前の友人たちと遊ぶのが日課だ。遊びといっても、飢えをしのぐために白人の豪邸の庭からグァバを盗んだり、十一歳で妊娠したチポの命を救うために「ER」(アメリ

    『あたらしい名前』 ノヴァイオレット・ブラワヨ著 評・長島有里枝(写真家) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)